唯があまりにもかわいそうな立ち位置だけど、読者に嫌われてる?

「ふしぎ遊戯」は、渡瀬悠宇先生が描いた代表的な少女漫画作品で、
1992年から1996年まで「少女コミック」で連載されました。
ファンタジーとロマンス、アクションが絶妙に融合したこの作品は、
1995年に全52話のテレビアニメ化もされ、長年多くのファンに愛されてきました。
「ふしぎ遊戯」本編は朱雀・青龍編とも呼ばれており、
10年間の連載を経て完結した「玄武開伝」に続き2025年現在は「白虎仙記」の連載も続いています。
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『ふしぎ遊戯』の中でも読者の心を強く揺らすのが、
美朱と唯の友情が壊れていく過程です。
「どうして唯はあんなに美朱を憎んだのか」
「本当に2人は仲がよかったの?」
「少女同士の友情って、なぜこんなにも脆いのか…」
この記事では、何度もこの作品を読み返してきた経験から、
2人の心の動き、すれ違い、弱さ、そして本当の願いについて個人的考察をまとめます。
親友同士がなぜ対立?|美朱と唯が敵対した理由

美朱と唯は、一見すると性格が正反対の親友同士のように見えます。
▼2人の性格
美朱:明るく行動力があり、誰かを助けたいと願う王道主人公キャラ
唯 :控えめで冷静、その反面で不安や孤独を抱えやすい
しかし、心理的には意外にも 「似ている部分」も描かれます。
▼ 2人の共通点
・周囲に“合わせてしまう”傾向がある
・無理をしてでも「嫌われたくない」
・強がっているが寂しさや孤独に敏感
ですから2人は、異なる性格でありながらも似た性質を持ち合わせており、
本来なら互いを一番理解できる「親友」でした。
しかし、
「似ている者同士の友情」ほど壊れやすいというのも、少女漫画の中ではよくある構造。
“相手が手に入れているもの”が、
“自分が一番ほしかったもの・自分に足りないもの”に見えてしまうからです。

元祖・異世界転生漫画とも言える「ふしぎ遊戯」。
仲の良い親友だった美朱と唯が対立する描写は、その後の「ありす19th」でも受け継がれていますよね。渡瀬悠宇先生が紡ぐ物語の核となるテーマなのかもしれません。
考察①唯の心が壊れた瞬間 ”歯車が狂った決定打”
唯の崩壊は、
環境要因 × 心理要因 × 誤解 が重なった結果です。
美朱の「善意」を信じた唯が“裏切られた”と感じた瞬間
美朱は躊躇なく人を助けられるタイプ。
そして唯も当然、困っている美朱に手を差し伸べるべきと考え行動した。
四神天地書に入り込み姿を消してしまった美朱を助けるために後を追って異世界に飛び込んだものの、唯の窮地には美朱は駆けつけてくれなかった。
その事実が唯を深く傷つけました。
考察②異世界での辛い経験を“トリガー”に、美朱への憎悪が育った
唯は美朱の身を案じて四神天地書の世界に助けに行きましたが
そのとき男たちに乱暴され、ボロボロの状態で気を失ったところを
青龍七星士の心宿に助け出されます。
このとき唯が受けた心の傷は、自分が見下され、尊厳を奪われたという
深い孤独感 と直結します。
そして自分は美朱を追って助けに来たのに、「美朱は助けてくれなかった」という誤解も、この傷の中で肥大化していきます。
実際には現実と異世界を繋ぐアイテム「制服」や「りぼん」の働きがきかず、
唯の助けを求める声を美朱が察知できない状況であったことが要因ではありましたが
唯の視界には「裏切られた」という感情しか残らなかったのです。
考察③“美朱ばかりが恵まれて見える”心理が最高潮に
心身ともに傷ついた唯からすると、
「なんで美朱だけ…」 という気持ちが強くなり、
心のバランスを失う出来事がいくつか起こります。
・鬼宿が美朱を恋人に選ぶ
・紅南国では朱雀の巫女として迎えられ、美朱は評価される
・美朱が唯のために四神天地書に戻ってきたと言ったのは嘘で本当は鬼宿のためと悟る
唯はただ美朱を憎んだのではなく、
「自分の恵まれなさとの比較」の結果、美朱に憎悪の感情が向いたと言う方が正確です。

親友との対立、心を引き裂くような争いについて、心理過程含めてここまで丁寧に深く描く漫画は「ふしぎ遊戯」がダントツで一番かもしれません。
最終的に2人が和解できた理由|“願いの形”が変わったから

物語の後半、唯が青龍七星士として信頼を寄せていた心宿からの情報は、
唯と美朱が対立することを企てた嘘だったことを知ります。
そして唯の心の中を占領していた“美朱をへの嫉妬”という感情は薄らぎ
次第に“自分は青龍に飲み込まれてしまうが、美朱を守りたい”という気持ちに変わります。
同じように美朱の願いは、
“唯と仲良くしたい・信じてほしい”という願望から“唯を生かしたい” という思いへ。
2人の対立が終止符を打ち、和解に繋がったのは、
互いにいざこざの要因であった勘違いによるすれ違いの真実を知り、
また巫女という境遇で同じ立場に置かれた二人は願いの方向が同じになったのではないでしょうか。
美朱と唯の関係は、
理解してほしい
愛されたい
ひとりぼっちになりたくない
という、少女の心の普遍的な願望をそのまま描いたものです。
この構造があるからこそ、『ふしぎ遊戯』の美朱×唯は、
時代が変わった今でも、胸が痛いほどリアルなのです。
ハッピーエンドで和解できたけど唯は読者から嫌われている?

「唯は嫌われているの?」という疑問は読者の中でよく聞く話かもしれません。
あるいは実際に、「美朱の邪魔ばかりしてくるから嫌いだった」という方も少なくないでしょう。
唯は確かに“理解されにくい・読者の意見が分かれるタイプのキャラ”です。
ですが、完全な悪役として描かれているわけでもないんですよね。
以下、様々な意見を集約・整理してみました。
嫌われる理由(主に初見読者)
・美朱を憎む姿が強烈で、感情移入しにくい
・ヒステリックに見える行動が続く
・主人公が美朱なので、その邪魔をする唯=悪 として登場している
・“自分だけが不幸である”という悲劇のヒロイン意識が強く映る
このあたりは、物語の構造上どうしても
「美朱が主人公 → 唯は敵側」
という対立になるため、嫌悪感を抱く人が一定数います。
特に初見の読者ほど
美朱に感情移入し、唯に厳しい評価を下す傾向があります。
しかし再読勢・大人の読者には“理解されるキャラ”に変わる可能性があります。
読み返すと、
唯は「性格が悪い・嫌いなキャラ」から
“リアルな弱さを抱えた女の子”として共感されやすくなります。
▼ 理由
・後から明かされるトラウマの内容が深刻
・「誰かと比べて自分を卑下する」感情がリアル
・美朱の善性が逆に“眩しすぎて苦しい”のが分かる
・“悪”に見えてしまう構造が残酷なだけで悪い子ではない
唯は、「当時は嫌っていたけど、大人になって行動が理解できた」
という声が非常に多いキャラです。

作品のために“嫌われ役を引き受けた存在”として物語を支えているといえるかもしれませんね。
ふしぎ遊戯 シリーズ未読の方向け時系列解説↓
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また青龍・朱雀編はアプリ配信はされていませんが、
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『ふしぎ遊戯』の美朱と唯の対立構造は、
今読んでも胸が痛いほどリアルに響くストーリーです。
本編を読んだことがない方はもちろん、何年も前に読んだきりという方はぜひもう一度、物語の世界を体感してみてください。
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親友同士の対立は「読者の成長とともに見え方が変わる」構造かもしれません。







