
知世は円を嫌いになった? 気持ちと行動がちぐはぐだった1年間。

「微糖ロリポップ」は、池谷理香子先生による少女漫画で、集英社の女性向け漫画誌「Cookie(クッキー)」にて2006年10月号から連載されていました。
コミックスは「りぼんマスコットコミックス クッキー」から全7巻が刊行されており、完結済の作品です。
池谷理香子先生は、恋愛と家族ドラマを丁寧にからめる作風で人気の漫画家です。
代表作には「FUTAGO -ふたご-」「シックス ハーフ」「ハコイリのムスメ」など。
「微糖ロリポップ」も年下男子との恋愛模様を描いた代表作のひとつとして、完結から時が経つ今も根強い支持を集めています。
本記事では「微糖ロリポップ」のネタバレを含みます。
「微糖ロリポップ」は、両親の宝くじ当選をきっかけに両親と離れて暮らすことになる主人公と、居候先の年下男子の恋がじわじわ進んでいく“ちょいビター”なラブストーリーです。
年下男子×三角関係×家庭問題と、少女漫画的な要素がぎゅっと詰まっていて、完結済のため一気読み派にもおすすめです。
主人公は高校2年生の後藤 円(ごとう まどか)。
居候先の家の一人息子である中学2年生の麻木知世(あさぎ ともよ)と、その近所に住む同級生の小野といったキャラクターたちの恋愛感情の変化を中心に描かれていきます。
宝くじ1億円当選からの両親の“医者になる宣言”というぶっ飛んだ導入に、「家庭の問題」と「恋愛」が絡み合う展開が続いていきます。

両親が医学部入学のための勉強に専念するために一人暮らしを強いられるという特殊な設定なのですが、物語のメインは円の恋愛です!
円が「他に好きな人がいる」と伝えて別れてからも、一途に円のことを好きだった知世ですが、高校生になった知世は突然円の前から姿を消してしまいます。
着信拒否をされたために円から連絡を取ることも叶わず1年が経過し、千鶴さん(小野の祖母)の入院をきっかけに1年ぶりに再会した知世は別人のような冷たい態度に変わってしまっています。
本記事では知世が円の前から姿を消した理由と
再会した知世が別人のように冷たい態度をとる理由を考察していきます。
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知世が円の前から消えた理由と、別人のような態度の知世の本心

『微糖ロリポップ』終盤で描かれる、知世の失踪と数年後の再会。
再会した知世は円にそっけない態度で接し、隣にはルナという彼女がいました。
これには円と同じく読者も少なからずショックを受けたのではないでしょうか。
知世は円と付き合っていたときも、そして円が小野のことを好きだと言って別れてからも、円の一番の理解者であり常に支えてくれる存在として側にいてくれました。
別れてからも知世が円を好きでいたのは誰の目から見ても明らかでした。
そんな知世が、なぜ円の前から姿を消したのか?
この展開を理解するうえで欠かせないのは、
「知世は最初から最後まで円を強く愛していたが、円は付き合っている最中も、同じ熱量の気持ちで接したことがなかった」
という前提です。
二人は確かに恋人同士として距離を縮めた瞬間がありました。
しかしその関係は、常に知世のほうが一歩――いや、何歩も先に気持ちが進んでいた関係であり、知世自身もその事実に気づいて傷ついていました。

「好きな気持ち」の熱量が噛み合わず、知世の焦りや嫉妬が空回りに繋がっているように見えました・・・
高校生編①|気持ちの熱量がすれ違い始める円と知世

二人の気持ちのすれ違いで特に象徴的に描かれているのが、第3巻収録の14話と、第4巻収録の15話。
円からのキスを待ち続けたのに、一度もしてもらえなかったと伝える知世が思わず涙を流すシーンが描かれるエピソードです。
このとき二人は付き合っている関係性で、知世にとって円は心から想う異性であり、気持ちがあるからこそ触れ合いを求めていました。
「好きだから触ったりしたい」とキスをしたり、ゆっくり関係を進め、タイミングが来たらセックスをしたいという気持ちを素直に伝えていました。
ですが第3巻の14話の時点で、円の気持ちが小野に向いていることに知世は薄々勘づき始めていて、妙な苛立ちを感じています。
嫉妬心や苛立ちの末、円との関係を進ませることで二人の関係を強くしたいという想いがあったのではないでしょうか。
「早く円とセックスしたい」という知世に対して同じ熱量の気持ちを抱けない円は、「知世最近そのことばっかり言ってる なんかそーゆーのがヤなの」と返答し、すれ違い始めます。
そして第4巻の15話で描かれる知世の涙。
円が知世との微妙な空気に耐えかねて、謝罪しますが冷めた表情の知世。
俺 マジで怒ってねーよ ちょっと気づいちゃっただけ
いつもいつも キスもセックスもしたがってんのは俺だけだなーって
そして体を震わせながら、涙をこらえきれずに吐き出す知世。
俺も・・・自分が夢中になってたから気づかなかったんだけど・・・
円からキスしてきたこと 一回もないよな・・・
わかんないけど 俺は
円が好きだから触ったりしてーし
まぁ 好奇心もあるかもしんないけどイロイロしたいと思う円もそうならセックスなんていつでもいい・・・
だから待ってたんだあの日からずっと
円からキスしてくるの でもやっぱ 俺からしかしなかった
高校生編②|円から切り出される別れと、知世の自己犠牲

知世の言葉を受けて自分のせいで知世を傷つけてしまったことを自覚した円も涙を流し、
(何も言えない 何も言えなかった あたし)
(あたしはズルい 知世に比べてズルくてセコくていやらしい)
(本当は気づいていたくせに 知世に言わせてしまった)
と、自分の気持ちが知世の「好き」と同じではないことを決定的に認識します。
このシーンから読み取れるのは、知世自身が円との気持ちの重さの違いに耐えられなくなってきていること。
付き合っているのにどこか一方通行で、「円からキスしてくれたら同じ気持ちである証だ」と考えました。
そして知世は自分の気持ちを抑えて待ち続けましたが、意識してみると円からのキスはなく、自分ばかりが好きという事実にどんどん追い詰められます。
最終的に涙を流すほど追い込まれてしまった知世の反応は、
一方通行の恋に耐えていたことをはっきり示しています。
この後二人は別れることになり、しばらくは顔を合わせることも、会話もありませんでした。
しかしある日、麻木母の病気をきっかけにいつものように笑って会話ができるようになります。
そして知世は「円がいなくなったら離れが取り壊されるから」と、円の引っ越しに反対。
また別の日の夕方、東京タワーにいる円と都庁の展望台にいる知世は同じ夕日を眺めながら電話で会話をし、知世は円の好きな相手が小野であることを言い当てます。
続けて円の片思いは必ず失恋に終わる、なぜなら小野は卒業したら結婚の予定があるからという情報を円に伝えます。
この情報が効果的にはたらき、せめて小野が結婚するまで、学生でいる間は小野の近くにいたいという気持ちが湧いてしまった円。
知世と電話をしながら、その場で引越しの中止を決断するのでした。
このときの知世の本心は、円のことをまだ好きで、円が遠くに行ってしまったら本当に終わってしまうという考えのもと引き止めることを目的とした発言です。
理由なんてなんだっていい
出て行ったら終わりだ
側にいなくなったら
円が小野のことを好きだとわかってもなお、円が離れにいることを優先し、小野への気持ちを利用したのです。

ですがこの自己犠牲こそが、知世自身をじわじわと苦しめる結果になっていきます。
大学生編①|円を好きだけど、満たされなさに耐えきれなくなった

別れてからも、仲良く離れで過ごしていた二人でしたが、円が大学生になってからしばらくして知世は円の前から姿を消します。
知世が円の前から姿を消した理由は、「嫌いになったから」ではなく、
“自分が円を好きな気持ちが大きすぎて、これ以上そばにいられなかったから”です。
実は、知世が円から離れることを決めた経緯については6巻から7巻に収録されているエピソードで説明されています。
まず時系列を追って状況をまとめます。
大学生になって離れを出てアパートを借りた円の家に、高校生になった知世はよく遊びに来ていました。
離れで過ごした時間と同じようにダラダラしたり、一緒にごはんを作って食べたり。
楽しく過ごしているうちに、知世は時々アパートに泊まるようになります。
そして円のアパートに泊まる日には、寝ている円の髪や手を撫でたり、おでこにキスをするなど、やり場のない気持ちをおさえていました。
円は当初この知世の行動に気づかずにただ寝ているだけでしたが、ある夜目を覚ますと知世に触れられていることに気づき、内心とても動揺します。
予想もしない状況にドキドキしすぎてどうすればいいかわからない円は、知世にバレないように寝たふりを続けていました。
ですが、こんな日々を続けているうちに、円の気持ちを知らない知世は、円への想いが募るほど、知世自身の報われない気持ちのやり場がなくなります。
毎日が限界だった
眼の前にいるのに一番近くにいるのに届かないいつか誰かが円を連れて行くんだ
(微糖ロリポップ 6巻29話)
そしてある日、知世は合コン相手の女の子から告白され、初対面同然の相手と一夜を共にします。
円のことを好きな知世は、好きでもない女の子と身体の関係を持ってしまったことの罪悪感や、心と身体のちぐはぐさにどんどん不安定な気持ちになっていきます。
つまり、合コンで出会った女性との一夜の衝動的な行動も、円への気持ちが消えたからではありません。
円と両想いになれない現実を、別の形で埋めようとした結果だったように見えます。
その後、円に彼女ができたことを報告しますが、いつもと変わらぬ様子で笑顔でよかったねと返答。
嫉妬する様子もなしに、「今度紹介してよ」と言われたことで、自分は円に異性として意識してもらえない存在であると改めて認識します。

おそらく彼女ができたと伝えたときの反応で、円にとって自分が恋愛対象ではないことを痛感し、離れることを選んだのではないでしょうか。
大学生編②|それでも円を忘れられなかったからこそ、知世は去った

重要なのは、知世が円を諦めて他の女の子と付き合うことで忘れようとしながらも、
心のどこかで円を「特別な存在」のまま残していたであろうという点です。
本当にどうでもよくなった相手なら、着信拒否で逃げる必要すらありません。
知世は、円を好きでしたが、叶わない片思いを続けられるほどタフではなく、円を好きでいる自分に耐えられなくなった。
だからこそ、近くにいたら好きな気持ちをなくせないからこそ、「距離を置く」という選択しかできなかったのだと思います。
ずっと 俺が円を好きなほど円が俺を好きじゃないのが辛くて
いっそ離れた方が楽だって想ってた(微糖ロリポップ 7巻34話)

円と両想いになれない現実を、別の形で埋めようとしたけど、それでも好きな気持を完全には消し去ることができずに、物理的に距離をおくことを選択したんですね。
大学生編③|再会後に冷たかったのも気持ちを封印するため


数年後に再会した知世は、かつての一途で不器用な少年とはまるで別人のように、円に対して冷淡で突き放した態度を取ります。
千鶴さんの病院裏の公園で再会したときの、知世の冷たい態度が知世の変貌を物語っています。
しかしこの変化も、性格が変わったというより円に好意を抱くことで傷つくことを恐れた自己防衛の結果と見るほうが自然です。
円が自分のことを弟としてしか見ていないという事実を理解し、
円への気持ちを過去のものとして断ち切り
そして円をどうでもいい存在であるという認識をうめこみました
こうした思考は、ルナとのセフレ関係に納得するための“自己暗示”としても機能していたのではないでしょうか。
円をまだ大切に思っていると認めてしまえば、ルナとの関係も、自分の選択も、すべてが揺らいでしまう。
だから知世は、円に対しては冷たい別人を演じることでしか、自分を保てなかったのかもしれません。
・円を大好きだった知世は、円が小野のことを好きでも近くにいたかった
・でも両想いになれず、一方通行の恋が苦しくなり円から離れるしかなかった
・気持ちと行動がちぐはぐなまま、自分にもルナにも嘘をつき続けた
そして再会後も、心の底では円をまだ特別だと思っているからこそ、冷たい態度で自分を守り、受け身でいられるルナに甘えていました。
知世の行動は決して褒められるものではありません。
しかしその根底にある感情は、とても人間的で、痛々しいほどリアルです。
高校生になった知世は、円よりも背が伸びて大人びていますが、実はまだ一方通行の片思いで傷ついた記憶を抱えたままです。
優しさや一途さを捨てたのではなく、それらを表に出すと、また円に傷つけられてしまうと考えていた。
だからこそ、円に呼び出されて「知世のことが好きなんだ」と言われても、恋愛的な意味ではなく友達として仲直りしたいという意味に捉えて割り切った態度で返答しました。
それは成長というより、恋で一度深く傷ついた人間が身につける防御反応だったのだと思います。

『微糖ロリポップ』が「微糖」と名付けられた理由は、こうした甘さと苦さが混ざり合った恋の描写にこそあるのではないでしょうか。
まとめ|知世の着信拒否の理由と再会後に態度が冷たくなった真意

「微糖ロリポップ」で知世が円の前から姿を消し、その後再会したときには別人のように変わったように見えた理由は、円への恋心と向き合うことがつらくなったからと読みとることができます。
円の大学進学後に一度連絡が途絶えた理由は、円が自分に対して“弟みたいな存在”としか思っていないと痛感し、
知世は自分の気持ちを封印するために物理的に距離をおくことで、片思いのつらい感情から逃げる道を選んでいました。
そこには自分の報われない恋愛感情を抱え続けることへの怖さや、不安定な精神状態が影響していたように思えます。
こういった経緯から、結果として再会したときの知世は以前の印象とは変わって見えたのです。
また、円以外の女の子(ルナ)との関係を経験していることも、知世の立ち位置や振る舞いが変わったように感じさせる一因となっています。
最終的には、自らの気持ちに向き合い、円との関係を再構築することで再び歩み寄る姿が描かれ、変化そのものが成長の証として物語全体のテーマにもつながっているのではないでしょうか。
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