鬱展開漫画「みいちゃんと山田さん」｜みいちゃんは実在する友人がモデル

作品概要｜現代社会の多様性や理不尽さをリアルに語る物語
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1. まとめ｜夜職女子が殺されるまでを描いた衝撃の話題作

作品概要｜現代社会の多様性や理不尽さをリアルに語る物語

「みいちゃんと山田さん」は、亜月ねね先生（@azuki_nene）による社会派ヒューマン漫画です。

SNS（X・旧Twitter）上での無料連載から注目を集め、2024年9月より漫画アプリ「マガジンポケット」で公式連載が始まった異例の作品です。

2025年「次にくるマンガ大賞2025」ウェブマンガ部門ノミネートなど、SNSを中心に爆発的な話題を呼び、40万部を突破しています。

本作は社会問題やリアルな心理描写が話題を呼び、SNSで10億インプレッションを超えるほどの注目を集めました。

物語はフィクションではありますが、亜月ねね先生の友人が「みいちゃん」のモデルになっており、1巻の巻末あとがきでは実体験を元にしていると語っています。

キャバクラを舞台に、社会の中で「うまく生きられない人」のリアルを描く作品、『みいちゃんと山田さん』。
可愛い絵柄とは裏腹に、1話の時点でみいちゃんが何者かに殺されてしまうラストが明かされており、読者は犯人が誰なのかを推理しながら読み進めることになります。

物語が進むにつれて主人公・山田さんとみいちゃんは一緒に住むほど仲良くなっていきますが、この先の二人の幸せが続かないことがわかっているためバッドエンド耐性が求められます。

一方、この作品を心理・自己肯定感という視点から読むと、
「人はどのようにして“自分らしく生きられるのか”」
という普遍的なテーマも浮かび上がってきます。

この記事では、山田さんとみいちゃんの間に芽生える“居場所”の意味や、実話をもとにしたフィクションの可能性について考察していきます。

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あらすじ｜キャバ嬢として出会い仲良くなった、二人の女性の物語

舞台は2012年、新宿歌舞伎町。

大学に通いながらキャバクラ嬢として働く山田さんの勤務先に、複雑な家庭事情を持つ新人「みいちゃん」がやってきます。
みいちゃんは夜職が初めてで体験入店として店にやってきましたが、初日から遅刻。

また何度もグラスを倒したり割ったりと、同じミスを繰り返します。コミュニケーション面でも不安があり、お客様との会話もどこか噛み合いません。
そんなみいちゃんは、漢字も読めず、空気も読むのが苦手。
何かが「普通と違う」ことは誰の目にも明らかで、集団にとけこむのが苦手です。

一風変わったみいちゃんをフォローする形になるのが、先輩キャバ嬢の山田さん。
最初はその生態に戸惑いながらも、みいちゃんの純真さや不器用さに触れるうちに、だんだん「放っておけない存在」となり、二人は友達として距離を縮めていきます。

また山田さん自身も毒親との確執があり、親に期待される通りに就職活動を行うことに抵抗があり自分が進むべき将来が描けずに迷っていました。

山田さんとみいちゃんは互いに足りない部分を補い合い、一緒に住むようになります。
ですが1話冒頭で描かれている通り、みいちゃんは12ヶ月後に殺されてしまうことが読者には示されています。

こうして物語は、歌舞伎町で出会った21歳の女の子二人が、永遠の別れを迎えるまでの日々が描かれていきます。

香実

可愛い絵柄でシリアスなテーマを描く「みいちゃんと山田さん」。
内容や描写が結構重いので、グロ耐性も必要かもしれません。

『みいちゃんと山田さん』が教えてくれる“居場所”と“自己肯定感”

みいちゃんは、計算が苦手だったり、空気が読めなかったり、思ったことをそのまま言葉にしてしまったりと、集団の中では浮いてしまうタイプです。
読者の中には彼女を “境界知能や発達障害の特性を持つキャラクター” として感じた人も多いはず。

しかし、山田さんがみいちゃんの「ありのままの姿」に興味を持ち、友情を育んでいく過程が描かれることで、読者もみいちゃんへの愛着がわいていきます。

・素直で自分を取り繕わない
・人を疑わない
・自分の好きなものを大切にできる
・他者へ悪意を抱かず、まっすぐに好意を向ける

こうした性質は、トラブルに巻き込まれやすくもありますが、みいちゃんの“個性”とも捉えられます。

社会で求められる「効率」や「空気を読む力」を持たない一方で、
純粋なみいちゃんにはこれらの強みがあります。
そのギャップが山田さんと同じように読者の心をつかみ、SNSでも大反響の話題作となったのだと思います。

気になる実話説｜物語は実在する事件をモデルにしているのか？

みいちゃんと山田さんは、そのあまりにリアルで残酷な物語が話題となり、大人気作品となりました。

みいちゃんについては“モデルとなった人物がいる”と公言しているため、「漫画家を目指している」山田さんは「作者自身」で、実話なのではないかとの噂が。

ですが、亜月ねね先生のインタビューを確認した限りではその可能性は薄そうです。

物語自体はフィクションであり「そのままの実話」ではないと明言しているんですよね。

山田さんが作者視点であるという考察についても、現在のところ設定が「漫画家志望」というだけで、読者の憶測に過ぎません。

ただし単行本1巻のあとがきに「かつての友人がモデル」というコメントが書かれいるのは確認しました。
そして、みいちゃんが殺されるストーリーも実話なのではと唱える説があり、実在する事件がもとになっているのでは？と言われています。
多くの読者が憶測しているその事件とは「白石市女性遺体遺棄事件」です。

「白石市女性遺体遺棄事件」とは

女性の遺体が宮城県白石市の山林で発見された事件。
身元はDNA等で確認され、栃木県高根沢町の当時24歳の女性と特定されました。
報道によれば、田中さんは2019年の秋ごろに行方が分からなくなっており、その後「2019年ごろから栃木県内のアパートで監禁されていた」との警察発表・容疑者供述が報じられています。

逮捕：被疑者として、海部学（当時35歳）が逮捕されています。容疑者の妻・義妹なども逮捕・起訴されています。

起訴・判決：主犯格と認定された男に対しては傷害致死などで懲役20年の判決（2024年1月）となっており、共犯者には別途量刑が言い渡されています。

この事件が関係している可能性：被害女性が知的な遅れ（特別支援学級に通っていた等）を抱えていたという証言や、監禁・暴行の状況が「残虐」だと裁判で指摘されている点。

「みいちゃんと山田さん」の設定に当てはまる箇所があり、
みいちゃんの出身地が宮城県である点からも、作品となにかしらの関係があるのでは
と囁かれています。

現時点で“特定の実在の殺害事件をモデルに描いた”と出版社や作者が公的に認めた情報は確認できていません。
ですが、この事件を参考に描かれている部分がある可能性も完全には否めません。