
菊之進の報われない恋|陽菜に対する恋心の変化を考察


涙雨とセレナーデは、河内遙先生によるタイムスリップ・ロマンス漫画で、講談社『Kiss』にて2015年1月号から2026年1月号まで連載されました。
隔月連載としてスタートし、長期連載を経て完結。最終回は多くの読者に深い余韻を残しています。
単行本は最終14巻が2026年2月13日に発売。
帯では2027年のテレビアニメ化決定と、2026年秋からの外伝連載開始が発表されました。
参考:涙雨とセレナーデ アニメ公式サイト
外伝は、菊之進を主人公とした“本編のその後を描くスピンオフ”になる予定です。
本編完結に大きな感動の声が上がる一方で、「もっと続きを読みたい」という声も多く、
そうしたファンの期待に応える形で、再びこの世界の物語が描かれることになりました。

孝章に一途な陽菜のそばで、常に支え続けてきた存在――それが菊之進です。
そんな菊之進に心を動かされた読者も多いのではないでしょうか。
とくに印象的なのが、別れの場面で「顔を合わせないままで行ってくれ」と告げるシーン。
想いを抱えたまま距離を取るその選択は、切なくも美しい描写として強く心に残ります。
本記事では、そんな菊之進が
いつから陽菜に惹かれていたのか
なぜ想い人がいる陽菜を好きになったのか
この2点を軸に、彼の恋心を考察していきます。
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▼陽菜と孝章の関係や結末については、こちらの記事でも詳しく考察しています。
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結論|菊之進は最初から陽菜に惹かれていたが、“恋”に変わったのは後から

涙雨とセレナーデにおける菊之進の想いは、はっきりと「この瞬間に恋に落ちた」と描かれているわけではありません。
そのため、「いつから陽菜を好きだったのか」は気になるポイントのひとつではないでしょうか。
ただし作中の描写を追っていくと、天菊として出会った当初から一貫して、陽菜に対して優しい態度で接していることがわかります。
またその後、本郷家の敵として現れた場面でも、できるだけ陽菜を傷つけないよう配慮している様子が見て取れます。
加えて、序盤で天菊が男性であると明らかになる場面では、陽菜に軽くキスをするシーンも描かれています。
(このキスは、陽菜にとって初めてのものだった可能性も示唆されています)
こうした描写から考えると、この段階ではまだ“明確な恋”とまでは言えないものの、
と捉えるのが自然でしょう。
つまり菊之進は、孝章(婚約者)とともに現れた陽菜に対して、初対面から悪い印象を持つどころか、
自然と惹かれていた状態にあったと考えられます。
それがはっきりとした恋として自覚されるまでには時間がかかった――
“気づいたときにはもう好きだった”
そんな感情の流れが描かれていたのではないでしょうか。
出会いの時点ですでに特別だった|天菊として見せた優しさ


菊之進は、天菊として陽菜と出会った当初から、一貫して陽菜に優しく接しています。
当初は立場的に敵とも味方とも言えない関係でしたが、
海に投げ出された陽菜たちを助けに来たのは菊之進であり、陽菜の大事なリュックを守っていたのも彼でした。
さらに、海から引き上げた後は2人を自身の倉庫へ案内し、口では厳しいことを言いながらも、全身の海水を拭き取り、足湯まで用意しています。
そして陽菜の怪我に気づくと、傷口に軟膏を塗るよう伝えるなど、
特に陽菜の身を気遣う様子が随所に見られます。
こうした行動は、本郷家を敵視する天久一座の立場を考えるとやや不自然であり、
単なる気まぐれ以上の感情があったと考えることができるでしょう。
また印象的なのが、海の上で陽菜と孝章がキスする場面を目撃している点です。
この時点で菊之進は、陽菜が孝章を想っていることを理解していたはずです。
それでもなお、彼は陽菜を否定したり距離を置いたりすることなく、
その後も彼女を見守り続け、悲しい思いをしないように立ち回っていたようにも見えます。
この振る舞いは、「恋」と言い切るには早いものの、
すでに陽菜を特別な存在として見ていた証拠と捉えることができそうです。
距離が近づく中で芽生えた想い|菊之進の恋が深まった理由


その後、喫茶店で顔を合わせる機会が増えたことで、菊之進はより自然な形で陽菜と関わり続けていきます。
そして、雛子と陽菜が別人であると知ったことをきっかけに、菊之進はより一層、陽菜を支えるようになります。
など、要所要所で彼女を助けてきました。
こうした行動は、単なる善意や義理だけでは説明しきれない部分もあります。
とくに、雛子という婚約者の存在があるなかで、
報われない想いを抱えながらも孝章を一途に想い続ける陽菜の姿に触れたことで、
「守りたい存在」から「惹かれる相手」へと変化していった
可能性は高いのではないでしょうか。
陽菜には孝章という想い人がいるにもかかわらず、菊之進が彼女に惹かれていった理由。
それは、陽菜の一生懸命な性格やまっすぐな人柄に触れる中で、
「自分がその想いを支えたい」
「満たされない部分を埋めたい」
という感情が芽生えていったからかもしれません。

見返してみると、この頃の菊之進の行動は単なる「優しさ」というよりも、もう“好きだからこそ”のものだったようにも思えます。
恋心がにじんだ決定的瞬間|屋敷での共同生活に見る変化

菊之進の気持ちがより“恋愛感情”として明確に見えてくるのが、単行本10巻に収録されている第52話です。
孝章の屋敷に身を寄せていた陽菜と菊之進ですが、孝章が負傷により入院することになり、その後は2人で暮らす時間が続いていました。
この頃には、菊之進自身も陽菜への想いを自覚しはじめていたと考えられます。
しかし同時に、陽菜の気持ちを踏みにじりたくないという思いから、自らを戒めるように女性の姿で過ごしていました。
そんな中で描かれるのが、武虎が屋敷を訪ねてきた際の印象的なシーンです。
陽菜のリュックを枕にして眠る菊之進と、それを取ろうと近づく陽菜。
その結果、陽菜が覆いかぶさるような体勢になり、2人の距離は一気に縮まります。
その瞬間、動揺した菊之進は
「時にお前の距離は迂闊がすぎて魔がさしそうになる」
と意味深な言葉を口にします。

この場面は一見すると冷静な忠告にも見えますが、
異性として強く意識しているからこその反応と受け取ることができます。
それまでの落ち着いた態度との対比もあり、
抑えていた感情が思わずにじみ出た瞬間だったのではないでしょうか。
こうした描写からも、この時点で菊之進の想いはすでに“恋”に近い段階まで深まっていた可能性が高いと考えられます。
普段は冷静沈着で、どこか一線を引いた態度を崩さない菊之進が、思わず本音を漏らしてしまう――
その揺らぎこそが、彼の恋心を強く印象づけるシーンだったと言えるでしょう。

菊之進の恋が切ない理由|叶わないと知りながら選んだ距離

陽菜が現代へ戻る前日。
菊之進は、別れの時が近づいていることを悟っていました。
そして彼は、陽菜を見送る気がない、顔を合わせないまま送り出すことを選びます。
その選択の裏には、どんな想いがあったのでしょうか。
おそらくそれは、未練を断ち切るため――
顔を見てしまえば、手放せなくなるとわかっていたからではないでしょうか。

それでも陽菜は、最後に言葉を伝えるため、翌朝菊之進のもとを訪れます。
眠る菊之進の手を取り、感謝の想いを伝える陽菜。
しかし菊之進は、最後まで直接目を合わせることなく、キスのひとつも交わさないまま別れを選びました。
孝章の迎えの馬車に乗り込む陽菜を、2階から見下ろす菊之進――
その姿が印象的な別れの場面です。
出会った日に陽菜にキスをした菊之進が、
別れのときには何もできず、距離を保ったまま去る――
この対照的な行動こそが、彼の想いの深さを物語っています。
菊之進の恋が切ないのは、
相手の想いを最初から知っていたうえで、それでも惹かれてしまったことにあります。
陽菜の気持ちは一貫して孝章に向いており、
その事実を菊之進は早い段階から理解していました。
それでも距離を取るのではなく、むしろ支える側に回り続けたのは、
自分の想いよりも、陽菜の幸せを優先していたからとも言えます。
だからこそ彼の恋は、
報われないとわかっていても止められなかった想いとして、強く心に残るのではないでしょうか。

個人的には、普段はどこか飄々としていながら、ここぞという場面でふと色気をのぞかせる菊之進のギャップに強く惹かれました。
まとめ|菊之進の陽菜への気持ちは“本気の恋”だった

菊之進がいつから陽菜を好きだったのかを、明確に断言することはできません。
しかし作中の描写をたどると、
と考えるのが自然です。
「この瞬間に好きになった」という明確な転機は描かれていませんが、
気づけば真剣に好きになっていた――そう思わせる積み重ねが丁寧に描かれていました。
報われない可能性が高いとわかっていながらも、相手を尊重し、自らの想いを抑え続ける。
それが菊之進というキャラクターの恋の形であり、
“選ばれない側であること”を受け入れながら、それでも誰かを想い続ける強さでもあったのだと思います。
だからこそ菊之進の恋は、派手な展開はなくとも、
静かに、そして長く心に残るものになっているのではないでしょうか。

いわゆる“当て馬”的な立ち位置に見える菊之進ですが、
孝章よりも好きという読者や、「幸せになってほしい」と願う声も多く見られ、非常に多くのファンに愛されたキャラクターでした。
だからこそ、秋から始まる外伝でどのような物語が描かれるのか、今から楽しみにしたいところです。
▼陽菜と孝章の関係や結末については、こちらの記事でも詳しく考察しています。
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